045先刷り |
D103後刷り |
その1、右図の桐野利秋の下半身でズボンの模様が黄色系に着色されていない事。
その2、同じく桐野の刀のさやが朱色に着色されていない事。
その3、中図の野津少将の着衣において徽章や肩飾りが着色されていない事。
この3点は先に刷られた045の方が絵師の色指定を忠実に再現していると思われる事から、雑になっているD103は後刷りである。続いて、
その4、右図の桐野に肩書きがつき、一隊大将と情報がより詳しくなっている。
その5、右図で村田三介と斬り結んでいる官軍兵の耳や指に血のりが増えている。
その6、桐野の左腕に包帯らしきものが追加されている。
4から6の三点は情報が精細になっている事と表現が凄惨さを増し、エスカレートしている事からD103が後刷りである事を補強していると思われる。その他にもタイトルの地の色が赤から白に変わったり、後者では背景にぼかしを多用してコントラストを強調していたり、と刷師の工夫の跡が垣間見える。
4から6の三点は情報が精細になっている事と表現が凄惨さを増し、エスカレートしている事からD103が後刷りである事を補強していると思われる。その他にもタイトルの地の色が赤から白に変わったり、後者では背景にぼかしを多用してコントラストを強調していたり、と刷師の工夫の跡が垣間見える。
果たしてどれくらいの期間で別の版を用意して後刷りを販売していたのかは、御届印も刷り込んであるので定かな事は言えないが、きっと、驚く程短い期間の間にこうしよう、ああしようというチームの模索が繰り返された事であろう。刺激的な二枚といえるだろう。